散文。うる星やつら。
諸星あたるという人間は、とても一言では言い表せない、様々な魅力を併せ持った、全くもって一筋縄ではいかない存在である。
ある時は奸智に富み。ある時はただのアホ。ある時はドケチ。ある時は破廉恥極まりなく。ある時は嫉妬の鬼。ある時は不器用。ある時は優しい好青年。ある時は可憐な少女である。
好青年と少女が同列しているだけで、もうわけがわからん。
ほかにも語り尽くせないほど、様々な面を持ち合わせているヤツであるからして、「彼の事を知るには、この話を読めばいい!」と紹介することは不可能である。
同じことは、ラムとあたるの関係性にも言える。
上っ面程度なら少々調べるだけで知ることはできるが、二人のマリアナ海溝よりも深い絆は、やはり全編を読んで頂かないことには到底伝えることはできない。
「どの話が一番いちゃいちゃしてると思った?」と訊かれた。「全部」としか答えようがなかった。
あいつらは、全体の9割ケンカしているように見えて、100%いちゃついとるのだ。
どの作品でも言えることだと思うが、その話のストーリーや人物を知りたいと思うならば、人伝にダイジェストを乞うのではなく、まずは読んでみることをお勧めしたい。